化学療法 – 外来について
外来化学療法室
がん薬物化学療法について
近年のがん治療における薬物療法の進歩に伴い、従来は入院で行われていた薬物療法を、外来通院でも安全に受けていただけるようになりました。
当院においても専任のスタッフを揃え、がん薬物療法を効果的、かつ安全・安楽に提供できるようチームで治療・ケアにあたっています。
薬物療法を安全に実施するためにレジメンオーダーシステムを導入し、すべての治療について薬剤師による監査を行い安全性を確保した上で治療を提供しています。また、実施されるレジメンの妥当性を評価し、承認する委員会を定期的に開催しています。
外来化学療法室について
岡山大学病院では、がんの患者さまに外来でより快適に治療を受けていただくために、腫瘍センターに外来化学療法室を設けて施設とスタッフを集約化し、平成16年10月に新たにオープンいたしました。
外来化学療法室は腫瘍センター長のもと、専任看護師12名で運営されており、専門薬剤師が調剤や服薬指導を行なっております。また、歯科衛生士も常駐し、その他 緩和ケアチーム、がん看護専門看護師、治験コーディネーター、医療ソーシャルワーカーなどと連携しながら、患者さまへチームでの医療を提供しております。
28台のリクライニングチェアを配置し、1日平均50名、毎月約1000名の患者さまが治療を受けています。
利用案内
開放的で明るい雰囲気です。窓の外の景色を眺めたり、テレビを見たりと、リラックスして点滴を受けることが出来ます。
午前9時~午後5時まで (受付締切時間:午後3時) 予約制
外来化学療法の流れ
1.一階で受付後、二階中央採血室で採血(採血室受付機にて受付後、9番10番で採血)
2.各科外来で診察
血液検査の結果や体調など医師が診療判断し当日の治療を決定します。
中止の場合は次回の外来予約後ご帰宅となります。
3.腫瘍センター受付
「本日のご案内」「予約注射箋」「自己管理日記帳」各種「問診票」を受付にお出しください。
受付前に体温・血圧測定をして、お知らせください。
予約状況により1-3時間お待ちいただく場合がございます。ベッドの準備ができ次第ご案内いたします。
買物やお手洗いなどを済ませてお待ち下さい。
4.点滴治療
点滴中はテレビを見るなどしてリラックスしてお過ごしください。(イヤホンはご持参ください)
食事(においの少ないもの)や本の持ち込みなどは自由です。
点滴中、体調の変化などがあればすぐにナースコールでお知らせください。
療養生活でお困りのことなどがあればお気軽にお尋ねください。
5.点滴治療終了
止血・副作用の確認をいたします。
6.会計後ご帰宅
お薬(院外・院内を確認)をもらってご帰宅ください。
診療実績
腫瘍センターの実績(2023年度)
スタッフ紹介
医師 腫瘍内科医師 看護師 腫瘍センター看護師長 専任看護師 がん看護専門看護師 | 外来がん治療専門薬剤師 がん専門薬剤師 歯科衛生士 クラーク(がん相談員) 看護補助者 専任メッセンジャー | 緩和ケアチーム 治験コーディネーター 医療ソーシャルワーカー 管理栄養士 公認心理士 |
診療内容
意思決定へのサポート
医師の説明内容をふまえて、理解しにくかった内容や疑問に感じたことなどの補足説明をいたします。
治療の経過の中で、不安に思うこと、気がかりになっていることなどがあれば、ご相談ください。ご家族を含めて、いつでもサポートいたします。
薬剤の投与管理
安全・確実・安楽な治療の提供を掲げています。
患者認証システムを導入して指示された薬剤を確実に投与するよう管理を行っています。
治療時の血管確保は専門の研修および試験を受け承認された院内資格を持った看護師(IVナース)が行います。患者様一人一人の血管の特徴を熟知し、点滴時間や薬剤の特徴を理解して血管確保を行っています。
予測される副作用に対して、迅速に対応できるよう手順を統一し、常にリスクマネジメントを実践しています。
症状マネジメントとセルフケア支援
外来での治療を継続するためには、患者さまご本人の力(セルフケア)が大きなポイントとなります。
自分でできる副作用対策や日常生活における注意点などお伝えし、症状をうまくコントロールしながら治療を継続できるようサポートします。
当院では、自己管理日記帳を活用しています。ご自宅での様子を書いて持参していただき、お困りのことなどご相談ください。
チーム医療
毎朝医師・薬剤師との情報共有、歯科衛生士と一緒にカンファレンスをおこない、患者さまへのケアの検討をしています。
病棟-外来看護師間の連絡・調整、緩和ケアチーム、治験コーディネーター、医療ソーシャルワーカーなどとも連携を図り、多職種でよりよい医療が提供できるよう努めています。
また、患者さまのかかりつけ医が訪問看護ステーション、ケアマネージャーとともに、症例の副作用対応、日常生活のサポートがスムーズに受けられるよう連携、協力していきます。
薬剤部のご案内
岡山大学病院の腫瘍センターに所属する薬剤師は、がん化学療法に関する高度な知識・技能を備えており、個々の患者さまに適切な量の抗がん剤を清潔区域にて調製することにより、日々患者さまの治療に寄与しています。薬剤部では事前に薬剤の投与量および投与スケジュールの確認を行い、安全で効果的な治療を実践しています。
点滴当日は腫瘍センターの医師や看護師とともに個々の患者さまに関してアレルギーの有無や投与量の確認等を行い、医療スタッフ間の連携を密にして医療の質の向上に心がけています。医師より投与の指示を受けると、薬剤師は安全キャビネットと呼ばれる装置の中で抗がん剤の調製を行い、二人以上の薬剤師でチェックをして最終的に患者さまに投与されます。
外来で化学療法を導入したり、外来で初めて化学療法を受けられたりする患者さまに対しては、がん専門薬剤師などのがん治療に精通した薬剤師がお薬の説明を行い、薬剤による副作用や日常生活における注意点等を説明しています。また、ご自宅で困った症状などが出現した際にはお電話でのご相談もお受けしています。
このように当院では医療安全に関してもきめ細やかな対策を講じており、患者さまに安心して化学療法を受けていただけるよう日々努力しています。
抗がん剤調製までの流れ
1.投与スケジュール確認
2.抗がん剤準備
3.医療スタッフとのカンファレンス
4.医師の指示により、抗がん剤調製開始
5.調製薬剤の鑑査
6.点滴当日の患者さんへのお薬の説明
歯科衛生士
歯科衛生士は,化学療法の副作用による口腔内の諸問題や諸症状について,その対応策や疼痛緩和などの情報を伝え,口腔保健指導を行います。また.歯科医師の指示のもと,がん治療中の口腔衛生管理の重要性を伝え,具体的なケア方法についてのポイントを指導しています。患者さんの口腔に関する悩みや相談,口腔管理(食べる,しゃべる,噛む,呑み込むなど),歯科受診などについてサポートします。
がん相談
院内の総合患者支援センター(がん相談支援センター)では、がんに関する相談をお受けしています。がんの診断時から治療や療養生活に関する相談や、必要な情報を提供しています。また、治療と仕事の両立(休職・復職・再就職等)に関する相談も可能です。体調や治療状況に応じた働き方ができるように、お勤め先の職場と当院で文書などのやりとりをサポートすることもできます。がんを経験した方のお話が聞きたい場合、ピアサポーターや地域の患者会の紹介もしております。何を聞けばよいかわからないけど相談したい等、どうぞお気軽にご利用ください。
お問い合わせ窓口
連絡先:腫瘍センター:外来化学療法室
電話番号:086-235-6968
時間:平日(土・日・祝日のぞく)9:00~17:00
外来化学療法中の緊急対応について
患者さまからの電話等による相談や緊急の受診に対して24時間体制で対応しております。また、急変時等の緊急時に入院できる体制が確保されています
緊急の際の連絡先
代表 086-223-7151
・平日 (9:00~17:00) 受診中の外来受付
・夜間・土日・祝日 受診診療科の病棟