医科歯科連携について

医科歯科連携とは

医科歯科連携とは,臨床医学において医科と歯科が協力して患者の皆様の病気に対して総合的に治療にあたることをいいます。がん治療においては、多職種の連携が必要ですが、特に歯科によるがん患者への口腔衛生管理や口腔機能管理は,がんの治療を支援するものとして重要であるとされています。例えば,歯周炎などの歯の病気は、抗がん剤治療による免疫機能の低下によって症状の増悪を起こすことがあり,がんの治療を中断せざるえないこともあります。この場合は抗がん剤治療の前に歯科の治療をできるだけ進めておくことが必要となります。また抗がん剤には副作用として口内炎など引き起こす薬剤があり,口内炎が重症化すれば食事がとれなくなるなど患者の皆様のQOLにも問題が出現します。そのため治療中の口腔衛生管理は極めて重要です。抗がん剤ではありませんが,骨転移治療に用いられるある種の骨吸収抑制薬は、時に顎骨(あご)の骨壊死を広範囲に起こす場合があり,抗がん剤と同様に口腔衛生管理や歯科的な教育指導が患者の治療をサポートすることになります。
岡山大学病院腫瘍センターには専属の歯科衛生士が常駐し,腫瘍センターを受診される患者の皆様の口腔に関する相談,治療中のサポートを歯科医師の管理の元で行っています。また医科歯科連携の窓口として医療支援歯科治療部のスタッフが中心になり,歯科系診療科とも協力して,さまざまなステージのがん治療におけるサポートなど医科と歯科の連携を積極的に行っています。

周術期や緩和医療における口腔管理

がんの化学療法以外にも,がんの外科的な治療を受けられる方の歯科医や歯科衛生士の周術期の口腔機能管理の介入は,手術後の誤嚥性肺炎の予防や早期からお口からの食事摂取を可能にすることができるため重要で患者の治療成績の向上に寄与しています。

医科歯科連携にかかわるスタッフ

医療支援歯科治療部・歯科衛生室・歯科系診療科